朧花火

作詞:竹内 信太郎


夏の終わりを告げた音は人混みの中を響いて

夕闇に溶ける火の香りと夜店の灯りが侘しい


夜の向こう 花火が上がったらもう何も残らずとも

夏草や若者と夢の跡

どうか終わらずにいて


今日だけの夢を踏んだ音はカランコロンと鳴り、擦り減る

川のほとりに浮かぶ色は戻らない時を写して


かつて追いかけた理想はどこかへ

費やした日々が色褪せていく

取り戻せはしない思い出を攫って空に溶ける


静寂が喧しいほどにもう、ここには何もない

戻らない時を悔やむことより

どうぞ前を見ていて


朧花火 ゆらゆら落ちてくその軌跡は消え去れど

残された煙と火の香りは

どうか消えないでいて

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